
もう一度、サッカーを
3年 末原滉希(末武中)
私がサッカーと出会ったのは小学1年生の頃でした。近所のサッカースクールに入り、友達とサッカーを楽しむことから始まりました。
ゴールを奪うことや仲間と協力する事など、サッカーの楽しさに触れていくにつれ、同時に「 もっと上手くなりたい」という熱意を抱くようになりました。そこで、サッカーに対してより熱心に取り組めるスポーツ少年団に入ることに決め、よりレベルの高い環境でサッカーに向き合うようになりました。試合でも活躍することができ、サッカーを楽しみつつ、充実した練習に取り組んでいました。
しかし、半年が経ったあたりにこれまでになかった "仲間とのすれ違い" という壁にぶつかりました。当時の気が弱かった私は、仲間に言われたきつい言葉に追い詰められてしまいました。あれほど好きだったはずの練習や試合も億劫だと感じるようになり、サッカーに向き合うことから離れてしまいました。「二度とサッカーのようなチームスポーツはしたくない」と、私はサッカーの道に終止符を打ちました。
サッカーを辞め、自分に何もなくなってしまったという消失感が毎日気分を暗くさせていました。そんな中私を支えてくれたのは父親でした。仕事終わりの疲れている中でも一緒にサッカーをしてくれました。父親との、このサッカーの時間は、当時どん底にいた私にとって唯一の拠り所であったと言っても過言ではありませんでした。そんな日々が続くうちに本来のサッカーの楽しさを思い出し、「もう一度サッカーをしたい」と、私の心は動きました。
こうして、仕事終わり熱心に指導してくれた父親のためにも、中学から再びサッカーに打ち込むことに決めました。多くの試合に出場させていただき、3年生ではキャプテンまでも任せていただきました。この3年間で自分を大きく成長させることができ、同時に失われていた自信も取り戻すことができました。
そうして私は県内でも強豪として知られる聖光高校へ入学しました。入学当初、周囲のレベルの高さに圧倒され、「自分なんかじゃだめだ」と思い悩む日々でした。脳裏には小学校の頃の記憶が蘇り、またあの頃ように辞めてしまうのではないかと自分の中で葛藤を繰り返していましたが、家族への思いや、「もう二度とあの頃には戻りたくない」という強い思いが私のサッカーの軌道を貫いてくれました。
青春をサッカーに捧げ、いつも支えてくれる家族に恩返しをする。
そして今までの弱い自分に区切りをつけたい。と強く思うようになりました。
今までの自分から離れ、新たな自分を見つけ出すために、ポジションをディフェンダーからフォワードに移しました。するとディフェンダーをしていた入学当初よりも、自分らしくサッカーのプレーをすることができるようになり、ルーキーリーグにも少しずつ出場させていただけるようになりました。2年生になってからは3部リーグで出場させていただく機会が増えました。こうして経験を積み重ねていき、聖光高校サッカー部としての責任、そして試合に出場することへの本当の楽しさを学びました。
そして今年、3年生として迎えた新人戦の試合でゴールを勝ち取ることができ、これまでの経験や思いが形となり、とても嬉しかったです。しかし、夏のインターハイでは "メンバー外" となってしまい、これまで抱いてきた思いを叶えることができず、すごく悔しい思いをしました。この思いが更に私の背中を押し、今、この選手権に懸ける思いはとても強いものだと言い切れます。
聖光高校サッカー部での今までの全ての経験は今の自分を作ってくれた輝かしいものだと思っています。こうして色々ありながらもサッカーというスポーツを現在まで続けられているのは、朝早くからお弁当を作ってくれたり、試合を毎回観に来てくれたりした家族。そして、楽しいこと、辛いことを共に分かち合い、常にそばに居てくれた友達のおかげです。
感謝しかありません。ありがとう。
私のサッカー人生も終わりを迎えようとしています。良いことばかりでなく、辛いこともたくさんありましたが、なんとかここまでやってきました。自分らしく悔いのないよう、最後まで全力で頑張ります。そして、今までお世話になった人たちのために、自分の成長した姿を見せられるよう力を出し切ります。

